TETSUYAの航海

テツガク好きな医療人です。時々イラスト練習中。

子供は一人の人間である~同性婚論議の一側面

同性婚、隣にいたらいやだ」と公に発言した首相秘書官が更迭されました。

岸■君もそうおっしゃいました。

さて。

同性婚を認めたら「国の形が変わる」という論調が見受けられます。

国の形は変わるのか

というか、国の形は「変わっていない」のでしょうか?

現在の少子高齢化って、国の形が変わっていないとでもいうのでしょうか?

変わっていないのは、甘えた男たちだけではないですか?

女性の人権を低いままに留め置けると思い込んで、手を抜いてきた結果ではないですか?

子供の人権を親の下に押し込めておけると、まだ信じてるのですか?

 

「人が出ていく」ですって?

まずそんな。人に上げ膳据え膳で、立ててもらわないと何もできないような人が出ていくわけないじゃないですか。というか、出て行ってもいい。

「男を立てる」っていうのは、お互いに価値を高めあうような、尊敬に基づいた言動を言うのですよ。

下心が見え見えの「機嫌を取る」とか「阿る」ならよく見かけます。特に永田町に。

流出しちゃうのは、人を大切にする、人権意識のちゃんとした人の方。

 

どうせなら「人を人として尊重する」方へ変わってくれませんか!?

「組織文化とリーダーシップ」©E.H.シャイン、白桃書房

 

そうそう、同性婚を認めても、もともと異性と結婚しない人たちなので、子供の数にはあまり影響しないでしょう。ご心配なく。

 

子供の環境を損なうか!?

この、「子供への影響」を言う人がありました。

 

「本人同士はいいけど、そのカップルがもし子供を育てるとしたら、そんな大人の勝手でかわいそうと思わないか?」という意見もあります。

子どもは大人のおもちゃではない、と…。

 

 

おっしゃる通り。

子供は親の持ち物ではありません。

 

だから、子供が「家」を構成するピースでなければならないということもないのです。

 

今日は「子どもの人権」で書くぞ。

 

 

「血のつながり」が大切だと思うのは

「血のつながりが大事」という教育を受けてきた、というだけのことです。

 

「ふた親が男と女でなくてはならない」というのは、そういう社会の雰囲気を受け入れよということです。裏を返せば男と女のペアであれば、「家庭」はひとまず「普通」だと胸をなでおろすわけですよ、首相は。

そうなのか?

 

家庭の再構築のために

子供のため、という観点ならば。

血のつながりがあっても心のつながりのない、憎んで逃げて、支配して追い詰めて、なんだったら殺しあう親子もいくらもあります。

 

家族の形って…(「ちひろさん」©安田弘之秋田書店)より)


養子だったら心のつながりを育めないとでもいうのでしょうか。

反証はいくらでもあります。


どちらも介護の最終盤に、実の姿が現れて参ります。介護というか、親役の人生の最終盤ですね。

訪問看護・訪問リハビリにいると、家族って何だろうと考えさせられます。悪い意味で。

 

これって「家庭」の問題ですかね?

個々の人間の問題じゃないですか?

しかも、子供を育てることを親に押し付けて、親の存在が子供を押しつぶしていても、ほぼほっかむりしてきた行政。

「こども庁」が「子ども家庭庁」に化けたのは、子供を親の道具にしておきたい政権党と統一教会の思惑の一致の産物じゃないですか。

家庭を重視したいなら。

まず親の「人間としての甘え」を正さねばならないのです

 

そして、その前にまず。

子供は生きることを守られなければならない。

最低限、法や行政に守られねばならない。

できれば社会に守られねばならない。

親の姿、家庭の構成は関係ない。

同性婚であろうと、異性婚であろうと、養子も里子も関係ない。

そうでなければならないと思います。

守られる子ども

島国で、言語の壁があるこの国では、あまり厳しい人間関係に触れずに一生を終えることもできることが多いから、「そうではない」ことを知る人が少ない。

それが「同性婚気持ち悪い」をまだまだ多数派にしている、もしくは法・行政を整備することに抵抗が強い原因ですかね。

 

「血のつながり」に頼らない人の関係や家族の形を身につけないと、それこそ文化の継承も、「日本人」の「血」も絶えるのではないでしょうか。

こいつが子供にどんな教育をしたか見てみたい



 

いろいろ述べてきましたが、結局のところ「気持ち悪い」といった、情緒的な感想には論理は無力ですね。

「自由」「平等」「友愛」は情念に負ける。

 

この国では「自由」や「平等」は、とても低い価値しか持たないのですね。

まして「友愛」など。

 

参考までに。

「世界経済のネタ帳」(https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=LP&c1=FR&c2=JP&s=&e=)より

「自由」「平等」「友愛」の本家は少子化対策先進国で、出生率は回復し続けています。19世紀に少子化に悩んでいましたが、現在人口は増加傾向にあります。

子供の権利を守るために法や行政が整備されており、離婚しても独身でも同性婚でも子供は育てることができるわけです。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2009pdf/20091001063.pdf

 

変革はありうるか

この国が「変わる」ことがあるとすれば。

宗主国が『そうせい』と命じたときか。

 

allnightsailor.hatenablog.com

しかし、実は「心」までは変わらない。

自由・平等であれと、憲法まで作ってもらっても、変わらないこの国。

 

もし、変わることがあるとすれば…

 

「金」でしょう。

 

『そうすることで儲かる』

『そうしないと金がなくなる』

そう思えば、ころっと変わるでしょうね。