今なんのためにただ生きているの…から、「夢をあきらめないで」へ。
コロナ禍で、会えないまま、人と別れてしまった方もいらっしゃるでしょう。
それは「永遠の別れ」であったかもしれない。
悲しみを乗り越えて、ますは悲しみそのものを歌い上げましょう。
「心こめて愛をこめて」。
あみん3枚目のシングルです。
(1982年「待つわ」で衝撃的なデビューを果たした彼女らですが、岡村孝子さんほどモチベーションのなかった加藤晴子さんは、芸能界についていけず、あみんは4枚のシングルと2枚のアルバムを発表した後、1983年活動休止しました。再結成後、2007年紅白出場など果たしています)
♪今 なんのために ただ生きていくの ねえ 人はそれぞれ
今 わかりあえる恋びとはいない この私に…
人はみな、闇を抱えて生きています。
支えあう人がいないとき、闇の重さは人を食い尽くそうとします。
♪今 時は過ぎて もうすべて変わり そう 私も変わった
今 信じていた恋びとは どこで夢見ますか
しかし、それを絶望というのは早計にすぎる。
思い出があれば、人は再生しようとするのです。
♪だから… うたってよ私に 愛のうたやさしく
さみしすぎる むなしすぎる あ… 今夜こそ
その人は、現実には目の前にいない人。
思い出のその人は、あなたのために歌ってくれる。
それでいいのです。
人は自分を本当の絶望から救い出すために、なにかを設定しなければならないのです。
その後、ソロデビューを果たした岡村孝子さん。
伸びやかながら不安定な揺らぎがあり、かつビブラートのない独特の歌声で、1985年、「夢をあきらめないで」を世に送り出します。
しかし、彼女を病魔が襲います。
2019年、急性白血病で入院。
それでも今、彼女は歌っています。
夢は、心を支え、命を輝かせるもの。
命が途切れてさえ、それを輝かせるものです。
夢とは、ただ一つの不変のもの…ではないのです。
時々に応じて変わるもの。
夢のために生きるのもいいけれど。
夢は生きるためにあるものと、私は思っています。
いかなる悲しみにも、打ち勝つ力を。