ブルーインパルスに感動した医療人はいらっしゃいますか? 私は感動を覚えません。個人の感想です。
ブルーインパルスが「がんばれ医療人」って飛んだ。
各地のライトアップは「ありがとう医療人」という意味だという。
それより、今日を生き延びるための防護服と手袋とアルコール製剤が欲しい。
あと一人でもいいから、仲間(ただし普通に仕事ができる)が増えてほしい。
そして明日に向かうための休息が欲しい。
過剰な誉め言葉より、正当な報酬が欲しい。
ぼんくらな上司10人を、優秀な上司1人(カルロス・ゴーンではない)と取り換えてほしい。これはどの業界でも一緒か。
医療人には、現実があるのみ。
ロマンで人は救えないから。
現実の努力の積み重ね。
人の死を見送るたび、現実のシビアさを知る。
帰れないひとを見るたび、甘い見通しの残酷さを知る。
「がんばって」と励まして去る家族や友人の、冷たさを知っても、それは「患者の運命」と割り切る。
割り切れない人は、心に澱を溜めていくしかない。
ただし、現実逃避のためのドラマは好き。
でも医療ドラマは突っ込みを入れずにいられない。厳しいね。
自衛隊機が見事な編隊で飛んだり、東京・横浜・神戸など、各地のタワーでライトアップを輝かせたりと、大がかりな「感謝の意の表明」に、作り笑いでありがとうと応えながら、内心「それほど私たちが怖いのか」と冷めた目で見ている。
だって、「超人」「偉人」扱いされるのは、もっと働けと言うことだし。
最前線で元々リスクが高い職場なのに、うっかり感染したら、「大変だったね、ちゃんと休んでね」なんて業界以外からは言ってはもらえず、「戦線離脱してごめんなさい、ごめんなさい…」と泣くことになるのだ。
どんなに感染予防行動を完璧にとっても、どうせ地域社会では「病原菌」扱いされるのだ。
そして行政や政治が、気まぐれや思い付きで私たちの努力や工夫をだめにする。
「それも私たちの運命」と割り切り、本当の仲間たちと励ましあいながら、明日へ向かうのである。
私たちはリアリストだから。
本当に私たちを助けたいのなら。
手洗いをただ励行して下さい。
買占めをやめてください。
あほな政治家を当選させるのをやめてください。
体調が悪かったら休んでください。
(あとライトアップや飛行機を飛ばしたつもりになってお金をこっそり病院に回してもらえないだろうか。済生会や赤十字ばかりに寄付を集めるのではなく)
私たちは、リアリストです。
*個人の感想です。