医療機関にお礼のライトアップやブルーインパルス。やっぱり怪しげなものだったでしょ。
やはりあれはおかしい
自衛隊機編隊飛行。身の回りには「みた」って人はいないのだけれど、SNSやブログでは話題になっている様子。
ナースでも数人いらしたので、拒否反応を示した私がへそ曲がりなのかと心配しましたが…しかし、尊敬する訪問看護ステーションの社長さんが違和感を表明していらしたので、ほっとしました。
なぜ自衛隊機を飛ばすに至ったのか、経緯を問われて、防衛大臣が「プロセスは関係ない」ととぼけて隠したそうですね。結局自分がやらせたって白状しましたけど。
やはり、狙いがあったのです。
自分に酔ってる。いいアイデアだと。褒められるのはイヤだからだって。
褒められると思ったんだ。
数百万円かけて。そのお金で保育者への支援してよ。っていうか電通とパソナに分けたお金を回してやれよ。
お礼も労いも伝わらない
あれを「医療者へのお礼と労いが伝わったかな」とはしゃぐ街の声に、以前の記事でもの申しました。
お礼にもねぎらいにもなってないんです。
「よかったよねー」…これは見た人の感想でしかない。だから? あれでお礼言おうと思ったんですか? ほんとに? そもそもあれをお礼ですよと説明されないとわからないお礼をいわれても「ああそうですか」とすらいえない。
そしてあれを見て感動しているあなたの発案じゃないし、あなたの行動でもない。つまり「あれをお礼と思ってね」なんて言わないでほしい。お礼を「感動」「共感」の「表明」で済まさないでほしい。
誰も知らない知られちゃいけない
あんなのなくても私達はやるんです。
やるしかないんです。
自分が何者であるかを知るために。
誰も見てなくても。
この美しいものを守りたいだけ。
デビルマン(TV版)か。歌詞が胸に染みる。
それでは本題です
それより、はしゃぐ街の人々は、そういうものにお礼を仮託して、労ってやったつもりになってるんですか。
それが一番怖い。
言ってる意味わかります?
「これから医療者へのお礼の意味を込めて曲芸飛行します」
っていわれて、それを応援することで、お礼をした気になってるけど、医療崩壊を起こさない行動をすっかり忘れて浮かれてるんじゃないかってことです。
ウイルスは消えてはいない。
感染者・入院者が増えれば、私たちは疲弊するんです。
それでなくとも、病院経営は大きく傾いているので、夏のボーナスが絶望的ですって。
週3夜勤って労基通報レベル、いや過労死レベルか。
次のパンデミックには、ナースごっそりやめちゃってますよ。
私たちの絶望的な使命
ニュースで若者が答えていました。
「命の危険はあるけれど今したいこと我慢するくらいなら死んでもいい」
それをいう人は、呼吸困難になっても病院に来ないでほしい。ベッドを埋めないでほしい。でも、ほっとくと、誰かにうつしちゃう。ほっとけない。
私たちは赤十字精神にかけてほっとけない。
人を殺すやつでも、死刑しかないようなやつでも、助けるのが使命なんです。ブラックジャックの苦悩は医療人に普遍的なものです。
結論
あほな政治家の パフォーマンスを応援しないでください。
(口先だけで助けてくれない奴はもっと悪いけど)
そんなものなくても私たちは働きますから。
ただただ、働けるように環境を整えてください。
ついでに。
平時にぎりぎりの経営しか許されていない病院に、緊急時やパンデミック対応は当たり前ですが無理です。