TETSUYAの航海

テツガク好きな医療人です。時々イラスト練習中。

これがすべて。医療者のコロナストレス。

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コロナストレスについて自分(訪問リハ)の例で解説しました。

どうやら新型コロナうつの直前だったようです。

病院勤務者のストレスについて考えて並べてみました。

日常勤務のストレス

感染防止手順を守って日々業務を行いますが、「手順通りやれたのか」、「あれでよかったのか」、「隙間があったのではないか」、そして「このまま次の患者さんとこへいっていいのか」という迷いと不安が、勤務中ずっと付きまといます。

そして、「もし同僚が一人脱落したら、その瞬間から仕事量はどんなことになるか」と想像したらめまいしかしないので、考えないように努力しています。

白衣やユニフォームを脱げば重みが多少ましになりますが、蓄積されていますから、休日のたびにどっと疲れが出るのです。

しかも以下のようなストレスは避けられません。

クラスター原となる恐怖へのストレス

「もし担当患者・利用者が感染したら、私からの感染かもしれない」という恐怖。

あるいは

「会った相手が熱を出したら自分は濃厚接触者になってしまう」「そして私に感染しているかもしれない」不安。

つまり、「いま自分はウイルスを運んでいるのではないか」という恐怖がどんな職業よりも現実的です。そして、「それを非難される不安」がとても大きいです。

責任感よりも恐怖が、日々大きくなってきます。責任感は疲労で摩耗していきますし。

それなのに譲ってもらえないストレス

ドラッグストアの店員さんよりはましかもしれませんが、やはり「優遇されてていいね」とか「マスク1枚くらいくれてもいいのに」とか、一度言われたらずっと頭に反響し続けます。

頭ではわかっているのです。自分が倒れたら担当患者何十人への関りが手薄になってしまうから、自分を守らなくてはいけないと。

でもただの人間なんです。

 

 また、救急車は何とか道を譲ってもらえますが、病院車両はそうはいきません。

訪問リハビリですから私は外回りです。病院名を明記した原付バイクに乗っています。

私はとても安全運転です。原付なんて50km/hも出ないしね。キープレフトだし、2輪同士でも抜きません。

件数が混んでいるときは少し優先させてほしいとか、安全に走らせてほしいと思うのです。

しかしむしろ幅寄せしてきます。邪魔そうに後ろから車線変更もせずに、すれすれをすり抜けて抜いていきます。病院車両が走ってるんでしょう。事情があるのかないのか、見ただけではわからないでしょう。そんなに目障りな運転してないでしょう。こっちにイライラをぶつけるな。ナンバー控えておいて、私病院協会に報告してやろうか。

管理者由来のストレス

物品が届かないことさえ病院管理者のせいに思えてきます。もちろんそいつのせいです。普段の態度や準備が、この事態に対して支えにならないものなのです。「これを乗り越えたらきっと元気づけてくれる」という確信が持てないのです。これこそ「働きがい」というやつなのに。

そんなときに、「残業しないように」とか、「件数が減った」などと上層部から声が漏れてくることは、日ごろの何倍も刺さる。ささくれる。もう絶対転職してやると思う一瞬です。

また、上記の訪問中の原付の受ける恐怖に対して、ドライブレコーダーを装着させてほしいと願い出たところ、稟議書を中間管理職に握りつぶされました。

あ、こいつも同レベルだったのだ。

 

ある病院では、陽性だと訴えたのに上司が勤務に入れと指示したせいでクラスターっていうかもはや犯罪だろそれ。この上司がそういうということは、普段から法人全体がそういう方針で運営されているってことです。

…と、自分が社会から糾弾される恐怖を、上司や管理者のせいで味わわなくてはならない。

「社会」を「世界」、「上司や管理者」を「内閣や官僚」って言い換えてもぴったり。あら不思議。

社会的ストレス

このうえ、社会的ストレスです。

遊びに行くこともできません。カラオケもいけません。寄り道もいけません。

コミュニティでは病原菌のように扱われたり、子供が小さい家では、子供が病原菌のように扱われたり。こんなに対策していても家族が差別されたら耐えられません。もうどうしていいのか。

応援ライトアップなどで大げさに感謝されるのは、気持ちが余計落ち込みます。普通に物品が届くように、動きやすいように、早く帰れるようにしてほしいです。あと、患者数が増えないように。

また、「収入が途絶えなくていいね」って思わないでください。

コロナで死ぬってことがどんな状態かはまだあんまり見たことがないけど(他院の友人はすでに見てるけど…)、普通に肺炎や多臓器不全で死ぬってことはどんな状態か、初めから終わりまでしょっちゅう見て接触していますよ? 見たいですか? そういう仕事なんですよ?

日常的に人の最もしんどい状況を受け止めていく職業なのです。

命を削って出勤してるのです。逃げ出さないのはお金のためじゃありません。

 

テレビをつければ絶望的なニュースのてんこ盛り。

病院崩壊だって? 起こってるよとっくに。だって救急受け入れ何件も断ってるんだもん。うちはかなりゆるいというか、ダボハゼのように受け入れる(手に負えなければうちからよそに振る)のに、それでもこうだ。

介護崩壊のほうが深刻だと思います。日常生活が成り立たないんだから。介護殺人、介護放棄、介護者の入院による社会的入院の増加…の件数を調べてみてほしいもんです。

休業補償。できるだけしたくない財務大臣。お前のお金じゃないんだ。税金なんだよ。ピンチの時には少し還元してくださってもいいじゃないですか。消費税も含めて年間10万円(確定申告還付前)も税金を納めていない人なんてあんまりいないと思う。

役に立たないナゾノマスク。納入した「ユースビオ」社とやらは取材に対し「もう二度と取材は受けない」って切れてたそうですが。自分が請け負った仕事が何のためにあるのか、考えろ。責任がないとでも思うのか。

  

インセンティブで働いていけるわけじゃありません(もらったらうれしいけど)。

働き続けられるためには、正確な情報と、日常の正常化と、臨機応変のバックアップがほしいのです。

家族ストレス

帰宅したらハイター薄め液をカバンにスプレー。手洗い。検温。

入浴順は家族で最後。出たら換気。

そして、私が熱を出しそうに(36.9℃)なったら家庭内隔離です。

布団を1階の部屋において閉じ込め、食事はお盆に乗せて運ばれます。扉の前にお盆を置いて接触を避ける様子は「これが引きこもりか」というかのようです。

 家族に移さないように…という気づかいは大変なストレスなのです。

 コロナうつ

思うんです。私の休日ごとに出るこの熱はストレス熱だと。

37℃を超えることは一度もない。けれど、だらだらと6度台後半を上下する。はじめはこれがコロナ無症状者の感染か!? と焦りましたが、休日のたびに起こるのですから。

くどいようですが、平日勤務中はまったく出ません。日に3回計測しますが、36.5℃を超えることはありませんでした。

この連休でもひょいっと36.8℃とかでています。

これがコロナうつだっ!

以上です。