TETSUYAの航海

テツガク好きな医療人です。時々イラスト練習中。

キング牧師が重なる。危機には英雄が登場するが…?

5月25日、アメリカはミネアポリスにて。
ジョージ・フロイド氏が警察官の暴行を受けて亡くなったとされ、黒人差別問題の犠牲と見なされて暴動に発展している。
弟のテレンス・フロイド氏は深い悲しみの中から、暴動参加者への「平和的な行動」を呼びかけている。

大統領は分断を煽る。
黒人差別はいけない、正義を執行すると口では言いながら、また別の口で暴動はテロだと断じ、一網打尽に叩き潰そうとしている。
それが無益なことは、歴史上にいくらも例があるのに。
そもそも、差別を是として火種を撒きときにはガソリンさえぶちまけてきたのは誰だ。

テレンス・フロイド氏に視点をもどす。
彼は民衆に「一番深く悲しんでいる私でさえ暴動はしていない。みんなやめよう。左手に平和を、右手に正義を!」と呼びかけている。

極めて理性的でリテラシーの高い呼びかけと思う。統治者とは偉い違いではないか。
非暴力の訴えとまではいわないが、継続可能な運動の指針として、自己を投げ出す姿が…かすかにキング牧師を思い出させるのだが…

IT社会には、このような小英雄が続々生まれる。
そしてすぐ引きずりおろされる。
英雄の生まれにくい時代ではある。
長く生き延び、運動を続け、時代のふるいに耐えたものが英雄となる。
なりたいとそうでないとにかかわらず。

期待しすぎか。
そうだろう。
しかし、このような人物が危機に及んで現れるのは、まだ国が老いさらばえていない証拠だ。彼の主張が力を持つならば、アメリカの力を信じることができる。
世界の力を信じることができる。

キング牧師は、力を持ち、殺された。
テレンス・フロイド氏は、英雄と呼ばれるまで生き延びることができるか。