航海~13.研究開始(大名旅行?のための努力)
ブランクが長すぎて
どこまで話したか忘れましたね。
ああ、これでしたね。
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さて。
私の研究は、「全国の優秀な病院の経営者にインタビューする」という過程を含みます。かねてよりの願望だったことです。
一応中規模の病院での管理職経験のある私は(査定も人事も現場の決定を行っていました)、病院のトップがインタビューに応じることなどとても少ないことを肌で知っています。忙しすぎるのもありますが、とにかく外部に向かって声を出したがらないのです。多くの医療機関のトップは常に医師会や厚生労働省の方を向いています(個人の感想です)。独立した広報部門のある病院も少ないでしょう(個人の印象です)。
「大学院」という後ろ盾を得て、ようやく各地の病院トップの声を聴くという夢が実現するのです。
また、インタビューだけで何かを語ることはできませんから、経営学の研究から作成した質問紙への回答の採点を併用します。
それぞれの分析によって、それらの病院に共通する要因が、ある”経営学的指標”の要素を満たしているかを見たのです。
指導教授・副指導教授は医療機関への講義や経営コンサルテーションも行っており、伝手はいくつかありました。
しかし、統計有意というには母数が少なすぎます…なにせインタビューです。場所によっては一件訪問するのに何万円もかかります。そもそも依頼を受けていただける施設がそんなにあるとは思えません。
それは研究の限界として提示し、今回の結果を全国に広げてもらえることを期待して締めようと思いました。
とはいえ、そんな数施設で論文を書けるわけはありません。自分でも汗をかかねばなりません。一定の基準で選んだ施設は50あまり。研究趣意書を送付し、順に電話を掛けていきます。しかも、仕事をしながらですから、昼休みや夕方に電話をします。なかなか邪険にされて心も折れそうです…
そこは、自分の決めた道、がっくり疲れても数秒間だけ項垂れたら、”ふんすっ!”と気合を入れて、今日もリスト消去をしていくのです。
そしてうっかり「予約」が取れたら…
病院経営トップにインタビューをしなければなりません…!
吐きそうな経験ではありましたが、質問紙の利用や、同行した教授の助け舟などあり、何とか研究目的に関係のありそうな応答を集めていくのです…
なお、大学院生のインタビューではありますが、社会的にはあくまでその教授の研究なのです。助け舟や誘導をいただけるのはある意味当然といえます。
しかし最中にはそんなことは思い浮かばず、ひたすら「先生アリガトウ~~~!」としか思えませんでした(笑)。
閑話。
教授たちとの「旅行」はなかなか楽しいものでした。交通費は「研究費」でしたから、気楽なものです。新幹線にあれほどの頻度で乗ることは、二度とないでしょう…
道中、色々「施設の良しあしの見方」「インタビューの心構え」などを教えてもらいながら、帰りにはお土産を一緒に選びます。
そのかわり、それをレポートにしてゼミで発表する際には、なかなか忌憚のない(というか容赦のない)ご意見を頂き、弱点を補強していくのです。
そんなこんなで、春から夏は過ぎていきました。
で、中間発表会を迎えます…!
ここで、同期の仲間たちの友情が強く発揮されました。
パワポを作成し、プレゼン発表の練習をするのですが、場所の確保や仲間への通知など、ネットワークが機能してみなそれぞれ可能な時間で練習と批評をしあうのです。
修正するのも一人じゃない。
自習室は美しい風景に溢れました。
私たちは、一人じゃない。
(続く)