遅咲きの学び②学びの適齢期
続きます。
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論文の書き方
さて呼吸療法認定士になり、順調に利用者さんと楽しんでいた私ですが、当時勤務していた部署で、あるプロジェクトの結果をまとめ、学会に発表することになりました。
(呼吸療法学会ではありません)
学会発表は好評でした!
座長推薦を受け、論文に起こすことに着手します。
しかし、かなり手ひどくリジェクトされてしまいました…私は意気消沈していました。
「論文の書き方がわからない…」
新聞の読者のお便りとはわけが違くて(笑)、専門的な悩みです。
部署でどうにもならない悩みを、私は呼吸療法の恩師に相談しました。
すると、呼吸療法の大家が教授をしている社会人大学院があるから行ってみないか…と勧められたのです。
大学院?
そういえば。
私の出身大学の学部が、短期の3年から4年制に昇格した際、学部大学院も設立され、私は教授に「大学院を受験してはどうか」と誘われたのです。
しかし、その時は前回記した通り、多忙重責の管理職だったので、職場あるいは管理職をやめることなど考えられず諦めていたのでした。
しかし、今は無役。
夜間の大学院なら行けるかもしれない。
それに、何か得られるものが多そうだ。
そう。
転職も視野に入れて。
経営倫理をきちんと学ぶ
もともと管理職時代から、悩んでいた経営倫理的な問題意識がありました。
大学院とはこれをきちんと研究することのできる場所であるか。
体験授業に参加しました。
素晴らしい…!
面白い。そして、印象ではなく調査や論文といったエビデンスに基づいた、実のある話。かつ、ありきたりな結論ではない。
これが、大学院か…
そして、問題意識ど真ん中の教授にも巡り合い、体験授業の教授と合わせて、お二人を指導教授とすることができて、仲間たちとともに、私の研究生活は始まったのでした。
その楽しい研究生活と、近親者の死という厳しいハプニングは「航海」シリーズに書いていってるので。
他のことを記しておきましょう。
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学費。
2年で200万円ちょっと。
教育ローンで借りようとしました…
もっとも銀行さんは1年分しか貸してくれませんでした。
分かるけど。途中でやめるかもしれないし。
でもそれ困るんです…返済は1年では終わらない。
200万円の返済なら1か月の返済は変わらないが、2年目の分を2年目に借りたらダブルローンになっちゃう。
銀行さん恨みます…
しかし、この大学院が厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」の対象であり、2年で合計100万円ほどもらえることが分かったのです!
リスキリング支援の恩恵!
2年目は借りなくて済みました。
そうそう、amazonも優しかったデス。
学生証を提示して、prime student 資格を認定していただきました…
めちゃ便利で助かりました…
まあ、修了後の長い人生を正規価格で prime 会員を続けることにしたので、結局はamazonの思うつぼか。
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修了後。
無事修士論文を受理されてからも、「研究生」の資格で指導教授にご指導を仰ぎ続けて研究をつづけ、学会発表や論文に挑戦しました。
学術誌ですから査読は厳しいもので、何度も書き直しをしました…
そしてついに、学術誌に掲載されたのです。
「市井の研究者」の末席に連なりました…
学びの適齢期は…?
私お勉強は嫌いではありません。
しかしほんとにスロースターターなので…
大学を出て…就職して…脱サラして…また大学ですよ。
そして医療の道に入って…
このように、大学院を修了いたしましたのですよ。
不惑ですよ。
伊能忠敬か。
こうして意気揚々と転職活動を始め、今の職場に落ち着いたのでした。
結び。
学びたいことがあった。
学びへの意欲があった。
それなら年は関係ない…
適齢期は自分で求める。
求めれば誰かが何かを助けてくれる。
大学受験に挑む娘に、良い背中を見せてやれたのが、一番の収穫でしたがね!