時間栄養学。ヘルシーな生活のために。
こちらを教科書に、「時間栄養学」から2点だけ大事なことを抜き出します。
古谷彰子著・柴田重信監修『時間栄養学が明らかにした「食べ方の法則」』(ディスカバー・トゥエンティワン、2014)
高校生でもわかるヘルシーな生活とは
ジュニアの学校の授業で、各自の意見をもとに討論するネタ作りとして、「政治・教育などいろいろな分野別にracismを見つけて、reduceできる対策を考える」宿題が出ました。
ジュニアは、othersとしてhealthを挙げましたので、「physicalにヘルシーな生活とはなにが達成されている状態か」と問いました。
1)栄養バランスがとれた食事
2)規則正しい生活
と回答しました。ほめてやりました。
食事と生活リズムは密接な関係にあるのですから、これは同時に考えなければなりません。
体内時計
身体の期間は体内時計を持っていますが、ぴったり24時間周期なものは一つもありません。じりじりずれてゆき、ばらばらになり、概日リズムは崩れ、仕事や勉強にも差し支えるようになります。
リズムが崩れやすい生活では、自律神経の乱れから不調・体重増加・うつ傾向・発がん率の上昇が起こりやすいのです。
体内時計をリセットして合わせることで、ホルモンや自律神経などをうまく働かせていくことができます。
ゆえに概日リズムに体内時計を合わせることが最もヘルシーなわけです。
リセットすることができるのが光と食事です。
日光を浴びる時間と朝食は、効果的なセットなのです。
栄養の質と量
体内時計を動かす力が強いのは、
①量の多い食事、
②GI値の高い食事、
③糖質だけではなく糖質とタンパク質の組み合わせ、
です。
これらを「朝食」に持ってくるのが、healthに効率良く貢献するといえます。
また、④魚油 も、短期間で体内時計をずらすことのできる、力の強い栄養分です。また、魚油はインシュリンをさっと大量に分泌させるため、ダイエットにも効果的でしょう。
夜勤など、シフトワークの場合、勤務期間中には光刺激が適切に得られないので、食事の役割はますます高くなってきます。
一日中ダイエット食を摂るのではなく、メリハリが大事。すなわち、朝食には一見ダイエットに向かない「高GI食」をしっかり、それもたんぱく質や脂質を一緒に摂ることで、代謝効率向上・自律神経調整に貢献するということです。
*②GI値について
GI(Glycemic Index)「グリセミック・インデックス」とは、食べた食品が、消化された際にどのくらい血糖値を上昇させるかを示した食後血糖値上昇の指標です。
急速に血糖値を上昇させやすいほど、脂肪として蓄積されやすくなります。食品に含まれる糖質の量は同じでも、食物繊維やたんぱく質・脂質などとのバランスにより、吸収の速度が変わるといわれています。
(例)
GI値 | 炭水化物 | 野菜 | たんぱく質など |
低 | 春雨、そば ライ麦パン 玄米 |
レタス、もやし、 キノコ類、大根、かぶ ピーマン、キュウリ ナス、ブロッコリー |
ナッツ、ハム、牛乳 ヨーグルト、チーズ バター、リンゴ イチゴ、ツナ、鶏肉 |
中 | 玄米フレーク スパゲティ |
サツマイモ 里芋、長芋 |
アイスクリーム パイナップル、バナナ |
高 | 精白米 うどん パン |
人参、ジャガイモ トウモロコシ |
こしあん、クッキー チョコレート、練乳 |
*③について補足。
体内時計を動かす力が強い組み合わせの順。
(糖質+たんぱく質)>(糖質+脂質)>(糖質+食物繊維)
>(糖質+ミネラル)>(糖質のみ)
絶食時間
もう一つ、補足的な要素として、絶食時間の長いことで、「朝食」の効果が高まります。
朝食を抜くと、午前中いっぱいが「夜」ということになります。それで仕事になりますか?
ちなみに朝食抜きは最も悪影響が確認されています。
・朝食抜きと学力には相関がある
・血糖値も高い
と、踏んだり蹴ったりです。
上記と組み合わせると、朝食を整えるだけでなく、夜の最後の食事と朝食の間を一番長くすることが、効果を最大限にする重要な要素ということです。
夜遅くまで飲み歩き、締めのラーメン…を日々実践しているようでは、肥満や自律神経失調を起こしやすくなるのも当然です。
結論
体内時計の話は、自律神経の整調のための話です。しかし、間接的にダイエットの話をしています。ダイエットに必要なことはこれだけではありませんが、体調のいい状態を作ることは近道を作ると考えます。
なんといっても、healthyな生活は、QOLに貢献します。
時間栄養学をうまく活用して、体内時計を合わせやすくし、体調を整えて、仕事や勉強の成功をGETしましょう。
興味を持たれたら、種々の原著に当たってみてくださいね。