傍流はしぶとい。独立の気概があればなんだってやる。
今日はこちら。
関口誠人さん。
C-C-Bのギタリストです。フォークギターをエレキに持ち替え、今でも「弾き語り」でライブができるテクニシャンです。
C-C-B
C-C-Bは、1983年「Candy」でデビュー。
夏を意識した「和製ビーチボーイズ」というコンセプトで結成されました。メンバーが髪のカラーをカラフルに染め分けたバンドを覚えていらっしゃる方も多いでしょうか。
松本隆・筒美京平による、80年代の若者のお洒落な屈折を描いた歌詞と跳躍の多いポップな曲を、ドラムス兼メインボーカルの笠(りゅう)浩二が当時日本でも珍しかったシモンズの六角電子ドラムに乗せて、ファルセットも辞さず軽ーく華やかに歌い飛ばし、「Romanticが止まらない」(1985)など、次々ヒット曲を生みます。
不自然な君が好き
メンバーの作曲作品がシングルになったのはこちらが初め。
メインボーカルを関口がとり、不安な音型のコード進行をしっとりねっとりと歌い上げます。
サビ前の「口笛吹いて 気を引くのさ」。四分音符4音をゆっくり上下させながらコードを動かし、さらに切ない和音のサビはテンポアップして笠が歌います。
オシャレでキラキラなアイドルから脱皮を図った意欲作と思います。
ソロ活動へ
1987年、関口は脱退します。
その後、1988年いったんC-C-Bは解散しますが、渡辺英樹・米川英之・田口智治・笠は時々ユニットを組んでいます。
(2015年田口「覚せい剤取締法違反」逮捕、渡辺急死)
一方、関口は時々テレビ出演で協力する程度で距離を置きます。2008年、渡辺・笠とのユニット再結成も、2009年凍結されます。
独立志向が強かったのですね。
そもそも、トークでのC-C-Bおよびファンへのディスりやいじりがきついらしいです。
自前の曲を歌わせてもらえない不満もあったのでしょう。
1988年、「東京・Lovers Map」でソロデビュー。ロックにもかかわらず、 この四分音符をゆったり上下させる音形を効果的に、自身の「名刺」として使っているように思います。
1991年、映画「天河伝説殺人事件」主題歌を自身で歌い、年間チャート99位にランクインしました。この曲を中森明菜が「二人静」(1991)として歌うなど、他アーティストへの楽曲提供も多数あります。
様々な活動
映画にも出演しました。
「226」の将校役は、生真面目な外見にはまっています。
本も書いています。「ホテル。」「青春ちゃん」などの小説も書きましたが、「15秒でわかるコード進行160 イラストで納得!コード進行ネタ集!!」といった音楽家らしい本もあります。
歌に関しても「日本語にこだわる」という信念もあります。
また、専門学校の講師もして後進を育てていました。
健康危機を乗り越えて
生真面目な生まれ(クリスチャン)で、酒もたばこもやりませんでした。しかし、C-C-Bを辞めてからNYでしっかり覚え、音楽の幅を広げつつ、健康も害して行ったわけです。
肥満・心筋梗塞・アナフィラキシーショックなどがあり、その後も緊急入院でライブが中止になるなどもあり、稼ぎがない時期を奥様が支えました。
健康危機を乗り越え(まだ乗り越えてないかも)、2018年『関口 誠人(ex.C-C-B)新作ミニアルバム制作プロジェクト』クラウドファンディングで157%達成し、新アルバム「KAYO」が生まれました。
「歌謡曲」の「かよう」です。
C-C-B脱退後、順風満帆どころか、常に甘くない状況の中、いろいろな活動を生真面目にしてきた、トークでは自虐ネタを多用する不器用な男。
ある意味、しぶとい生き方ともいえるでしょう。
オフィシャルブログ「セキグチMaコト超個人的日記」